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zoom RSS (NHK杯)聞きどころ満載、結城九段の名解説

<<   作成日時 : 2011/12/04 21:49   >>

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3回戦の第1戦。
張栩棋聖(先番)に挑むのは、世界一アツイ男こと今村俊也九段。
64手目に白1とケイマした。「形」である。
しかし、逃げ出しを図った黒2のケイマが必争点の好位置であった。
白3で薄みを守りながら、上辺黒と下辺の黒模様侵入をうかがう。
かまわず張栩は早々と黒4コスミツケ。
これに対し白5と立ったのが珍しい。普通は白6にサガるのだが、攻めを目指す意思が現れている。
しかし、白7まで進んでみると、白は凝り形でよくないという。
張栩は軽く1本黒8を利かし、待望の黒10と下辺の模様に芯を入れた。

解説の結城聡九段は、左上隅で白が地を損したうえに、黒2に飛び出された時点で「公平に見て黒が打ちやすい」と断言した。
公平に見て、という言葉に、関西棋院の盟友をかばいきれない気持ちが出ていた。
さらにこうも続けた。
「じっくりとした打ち方、今村らしい持ち味とはいえ、プロでも真似しにくい。これで間に合うのかな、黒の立場でみると、こんなんでいいのかなーという気がする」と。

局後の検討でも、白1の手で2に打つべきだったと今村が反省していたから、黒10に先行されては、張栩を相手に逆転は望むべくもなかった。
157手で黒中押し勝ちとなり、張栩がベスト8に一番乗りした。

今日の碁は素人的に見所が多かったが、それは結城九段の丁寧な解説のお陰である。
そのいくつかを反芻してみたい。
まず左下で、黒Aとトビツけ白Bに黒Cと膨らんだ場面。
次に右下黒△にオサえた場面。
左上で星にカカッた黒に対し、いきなり白イとコスミツケを打った場面。


画像黒3の膨らみに対して白イと受けてくれれば黒4と治まるが、必ず白4と反発され、実戦の形になる。これは黒が不利なので通常は黒1の前に黒3とコスミツケから打つのだそうな。
張栩は下辺の黒の配石を考慮して、部分的な不利は承知で打った。





画像黒1のオサエは黒△が張栩得意の位置にあるので打てるのだそうだ。
通常は黒イとツぐものらしい。
中国流の変形(河野九段のいうスモール中国流)は、われわれの碁でも大流行であるが、その先を研究していなければ、ただの猿真似だ。

画像奈穂さんは子供の頃、上辺に白がない状態でいきなり白1とコスミツケを打つと叱られたと。
しかし、こんな手が最近はちょくちょく現れるから、初心者は何がなんだかわからなくなってしまう。
コスミツケてから白3と打ったが、黒4からの手段でスミが受け身になるのは当然である。
今村の秘策は、この数手先で結城もビックリの出切りを敢行するのだが、結果は白の勢力圏で黒に威張られてしまい、大暴れするしか活路が見出せない状態になってしまった。

ほかにも28手目白5十一の一間トビに対して、直ちに黒6十八とカケツギを打った意味の説明とか、サバキの見本の手と称した黒57(8六)の狙いなど、対局者の考えていることを代弁するような明解な解説が盛り沢山で大変勉強になった。

余談になるが、今日から始まった「坂の上の雲」をみていたら、遼陽の要塞の場面で司馬遼太郎の原作のナレーションが入った。
 「優れた作戦というものは、素人にも容易に理解できる簡明さを持っている」

これを聞いて、「作戦」を「解説」と置き換えたら、今日の結城解説にピッタリだなと思った。

久しぶりに人気の囲碁ブログを覗いてみよう



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