今期のNHK杯はタイトルホルダーが全員敗退し、なだれ三昧としては、今ひとつ盛り上がらない。 今日は準々決勝の第1戦、(先)依田紀基九段対河野臨九段戦で、解説は高尾紳路九段。 (画像クリックで拡大) 右上隅で河野が白1とカカったとき、依田が黒2とボーシした。 高尾が早速、これを珍しい手と評した。 依田は本来、このような大風呂敷を広げるような打ち方ではなく、相手の模様に入ってサバくのが棋風のはずと言っている。 続いて白3、黒4、白5の二段バネ。 ここで、依田が考慮時間をとると、高尾がこう言い放つ。「ここは黒9にツぐしかない思う。考慮時間を取るなんて。一番ビックリしました」 そのあと、黒6アテを考えているのかなと、参考図を作るも半信半疑の様子。 ところが、実戦も黒6から黒10のあと、白イからホまで参考図どおり進行した。 高尾は昨春、「基本定石事典(上下)」という大作を刊行したが、それ以前に、依田は「基本布石事典(上下)」を出している。 両書は装丁から、構成、ページ数、定価にいたるまで同じで、日本棋院の姉妹棋書となっている。 早速調べたが、高尾の定石事典には、黒6などという手は載っていない。 だから、ここで考慮時間を・・・という言葉が出たのだろう。 しかし、依田の黒6は、プロはいつでも既定観念にとらわれず、最善を求めるものだということを具現したものだ。 まさか、定石事典を出した高尾を挑発して、黒6を打った?それはないだろうが・・・ 対局は依田の2目半勝ちで終わったが、もし局後の検討時間があれば、依田と高尾のバトルが見られたかもしれないなと思った。 |
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